書架沈没船36525

100年あれば物語が36525ぐらい意識下に溜まるような気がする。その書架の引き出し。

勇気爆発バーンブレイバーン 第1話「待たせたな、イサミ!」 【感想】

前情報をほぼ取得せず見ました。

 

巨大ロボットアニメとリアルロボット系アニメを経た大人をターゲットに入れた”ロボット系”へのオマージュ? そういう世代への懐古サービス?

 

--------以下内容感想----------

 

冒頭演習で、「アニメの中では良いけどリアル系なら単機突撃はあまり周りのキャラに褒めさせるのはどうか」(※罰は受けている)。と見ていましたが、どうも……往年の……と言えば良いのか、オープニングではキャラの名前かロボットの名前が叫ばれ、トリコロールの”正義の味方カラーリング”で、ロボットが主人公と会話でき、必殺技を叫ぶ、そんな『ロボットアニメ』を見知った人たちが、子供の頃の懐かしさ且つそんな幼さへのツッコミを入れながら見ることを想定されたアニメかな、と思いました。(もちろん幼児が見ても成り立つように)(でもキャラデザからしてやっぱりあんまりローティーンは(またはハイティーンさえも)主眼でないのでは?)

ちなみに「オープニングではキャラの名前かロボットの名前が叫ばれ」以下四条件を全て満たすアニメはあんまりないかとは思います。でもそういう『ロボットアニメの要素』みたいなのを入れて楽しみたいのかな、と。

 

自衛官・成人・地味目な顔の主人公だったのでリアル系の系譜かと思いきや、ブレイバーンが来たとたんにロボットが話すし歌は流れるし必殺技は叫んだので、「レーダーから見て、謎の敵が宇宙から飛来した時の速度が秒速1万キロくらい行ってないか?」「被害状況の現地レポートが早過ぎないか?」というツッコミは飛んで消えました。イサミが「なんだこの歌⁉︎」って突っ込んでくれたので、「あ、そうしてツッコミ入れるやつだ!」となりました。

 

主人公、主人公に好意的な友人(ないしライバル)、機械一途なメカニック、そんなメカニック班のおやっさん(なお声のみなので想像)、美人で献身的な医者。こんな感じでテンプレートがきっちり守られておりました。

 

アニメという物語世界とリアルへの重ね合わせによるギャップを楽しむ事は好きですが、まずは様子見です。

・主人公は「勇気」になにかトラウマがあるのでは?

・単騎突撃という”勇気”を見せたのも、自分が勇気がないと思っているせいでは?

・ブレイバーンは何故主人公の名前を知っているのか?

(主人公で何か幼くして死んだ弟とか兄とか意識不明の家族とかいるのでは?

 過去に主人公が臆したおかげで兄だか弟だかが死んでいないか? まで考えました。)

 

三項めは今のところ考え過ぎだと思いますが、答え合わせがしたいのでとりあえず二話も見たいと思います。

 

 

 

 

最後の剣先が斜め左下の決めポーズは、あっあっ、もっと大胆にデフォルメしたパースで!!!!! 惜しい!!!!!!!! お願いします!!!!!!

(想像している構図がこの言い方であっているか分かりませんが)

地球に落ちて来た男 (2022) 第2話 眩惑された魂【感想】

<THE MAN WHO FELL TO EARTH 2. UNWASHED AND SOMEWHAT SLIGHTLY DAZED>

 

未だ洗われていない、をしてなんとなくちょっとぼーっとしている
(という感じ?)

地球の文化にはまだ主人公にとって未知で、ただちょっとだけぼんやりと何かが分かっている回でした。

ジャスティンにとっても彼のことは未知で、ただぼんやりと、彼が何か風変わり以上の何かである事が分かってきました。

 

ファーストコンタクトを終えてようやく歩き出せそうな二人です。

 

 

---------以下 2話内容感想-------------

 

1976年の映画「地球に落ちて来た男」を見ておいてよかったと思いました。
人間を覚えていられない私ですが、なんとなくあの〝ニュートン氏〟の面影と不安定さを感じる先達の登場です。

ただこの(おそらく)ニュートン氏は40年で年を取ったのか? 映画の方では人間に対して年を取るのが遅そうな感じでしたが……?

 

アンシア人(仮称)にとってX線は眩しいという新情報が出ました。
可視光外の波長も視覚情報として感じるということは、〝ファラデー〟に取って地球の景色は地球人類とは違って見えるのかもしれません。それとわずかな人体内の分泌も嗅ぎ分けられるとなると、かなり地球はごちゃごちゃに感じるのではないかな、と思いました。

 

CIAの人の注文の仕方で、一見人当たりが良いクソ嫌な奴という描き方がすごかった。こんな客がいたら実際どうしよう(どうしてやろう)、って考えてしまった。可哀想にウェイトレスさん……。

 

 

1話2話と念入りに何回も、ファラデーの人倫外の事を見せられて来たのでジャスティンの家では猛烈に心配しましたが、電気による治療だったのでほっとしました。
たしかに未成年と体の動かない老人を家に置いて旅には出られないと思っていましたが……ファラデーはその体はどうするのでしょうか。神経接続だか電気パルスだかを交換するだけしかできないのかな?

ただしかし、ファラデーは動けなくなりましたがジャスティン一家の信頼は勝ち得ました。

 

 

音楽が一つの車に乗ったさまざまな年代の生き物をつなぎ、ゆっくりと進み始めました。

 

 

アンシア情報:

残り数千人。

先達のニュートン氏を皆待ち侘びていた。

ニュートン氏は地球人から隠れている?

X線は眩しい。

わずかなパルスもホルモン分泌も検知できる。

アンシアは不要と判断されれば処分されていそうな社会。使命がある間だけ生きているようだ?

 

ニュートン氏はなぜ「人間に愛情を抱くな」と言ったのか?

 

 

 

 

地球に落ちて来た男(1976) 【感想】

「地球に落ちて来た男(2022)」第1話を見終え、同名映画があることに気づいたので見ました。

もしかしてリメイク作品だったかと思っての事だったのですが、「地球に落ちて来た男」の2022年ドラマ版はこの1976年映画を踏まえた話の様です。(2022年ドラマ版はドラマ版だけでも話が分かります)

 

 

--------以下内容感想----------

 

この映画は私にはまだ早い…………。

つまらないわけじゃないと思います。異星人が来ているわりに日常が過ぎて行くような感覚のストーリーにもかかわらず、〝つまらない〟とは感じなかったです。自分にも意外な事ではありますが。ただ1970年代の倫理観なのか……? と思って飲み込んでいる所はあります。ホテルのエレベーターで体調不良者が出たらホテルの従業員は応援呼んだり上に知らせたりしないのか? とか、仮にもお客様を引きずっちゃうのか?(後に抱え上げてたけど)とか、ヒロインが泣いて縋っていやそれは状況によっては別に良いのですがこのヒロインはこれでこのヒロインに好かれる主人公を受け入れられるのか? (ワカラン)。となります。主人公が既婚者なのに……は、まあ主人公側は異星人だから地球の一時代の一部の倫理観とは違うかもしれない、でまあまあまあ………………。

 

帰るよすがを無くした流浪者の孤独、と見ればその孤独の悲しさは理解するところでありますし、最後に彼の頭が下がって帽子で顔を見えなくしてエンドロールに入る画は好きです。

なんだろう。前半で大学の先生がイカロス墜落の横で船は気にも止めず航海は続く、という絵を出していたので、そういう事なのでしょうか。望むものに手を伸ばして墜落した悲劇はクローズアップすれば悲劇だけれど、引きの画ではそれもまた大きな航海のどこかの背景に過ぎない、という事かもしれません。(あるいはその事実に感じる寂しさ)

 

愛している、と言う視線も態度もばちばちに向けてくるヒロインに対し、見つめてくるヒロインに横顔やテレビを見ている視線やで交わらない主人公。あるいはたまにヒロインの話を聞いているかと思ったら話しに重ねて母星の荒廃と家族を思い出していている主人公。でも手を繋いだり家を建てたり生活に困らない資金は与えたり……振るなら早々に振りなさい、と2024の価値観で見てしまって困る。セックスとプレゼントのシーンの後でテレビ群の前に立つヒロインを無視してテレビから情報を集める主人公を私は持て余している…………。故郷で家族に会う夢を見ながら一縷の望みの様に妻へのレコードを作り、ヒロインを気に掛ける。

(彼が宇宙船に乗って旅立てなかったのは、このどっちつかずの愛の無神経のせいでは? と今思いました。故郷の家族への愛を一途に抱えて飛び立つことはできず、また地球での愛に向き合ってそれを得る事をしなかった故に、孤独と酒の内に映画は終わる)

 

本作でデヴィッド・ボウイとはこの人だったのか、と認識できたのは最大の収穫です。

どうも人間の顔を覚えられない人間なので、名前をなんとなく知っている程度でしたが、美しい人だったのだな、と覚えました。

 

 

母星の家族はどうなったのだろう?
地球からいよいよ宇宙船が出発するという場面のときに、金色の乗り物の所で子供が倒れているような様子だったけれど。主人公が地球から飛び立てたとしても家族には間に合わなかった、というエクスキューズだろうか?

 

宇宙船の技術はあるけれどエレベーターには酔うニュートン氏。(エレベーターは無いのか?)
もしかして母星では完璧に重力を制御しているという示唆? と思って脳内補完しておきます。

 

かなしさ、寂しさ、やけっぱち、そんなものを感じる映画でした。

 

 

 

 

----------「地球に落ちて来た男」2022ドラマ版第1話を見た上での感想---------------

 

T・J・ニュートンが売った指輪が20ドル⁉︎ 安い! と思っていたら同じ様な指輪をたくさん内ポケットに持っていました。

だからK・ファラデーの方も、オマージュとして指輪をたくさん吐き出して換金したのかと納得。謎が一つ解けた。

アンシアに貨幣経済があるかわかりませんが、地球の経済の事を知っていて、生活に困らないために持っていけるものが金属のやつだった、って事なのでしょうか。

地球の資源とある程度の人間の生活のことは伝わっているけれど、地球人コミュニケーションには先人より難があるファラデーの謎は一つ増えました。ニュートンは権力者階級でファラデーは労働者階級という違い?

 

ニュートンもファラデーも科学者がぱっと思いつく名前なので、じゃあ「ジャスティン・フォールズ」のフォールズは誰から? と検索してみましたが、指紋研究の人からなのでしょうか。だから”K・ファラデー”の指紋が無いという一言が入ったのでしょうか?

地球に落ちて来た男 (2022) 第1話 ハロー・スペースボーイ【感想】

<THE MAN WHO FELL TO EARTH 1. HALLO SPACEBOY>
※2022年 アメリ
※1976年イギリス映画もあるようなので、(2022)をつけました。

 

人外の倫理を持つ人外の物語を読みたいと思い、U-NEXTにオススメされた「地球に落ちて来た男」を見ました。あらすじでだいたい主人公は故郷の荒廃を救うために地球に訪れた知的生命体だという事は分かっています。

1話だけ見た感じでは、まだ地球外生命体の倫理観がどうなっているのか未知ではあります。ラストの引きが母星とのコンタクトのシーンなので、どういうメッセージを受信したのか、次話以降も見ようと思います。

 

 

---------以下 1話内容感想-------------

冒頭で観客には一人の成功者の半生の語り、視聴者には地球外生命がどのようにやってきたのか示される。物語内への観客へは言葉で、視聴者には映像で、世界観と人物の説明として(説明になりすぎず)自然で聞きやすい。

 

地球外生命体は外見をどうするか、というのは地球にやってくる知的生命を描くものでは注目する所だが、今回は”体を作り替え”るような感じでいるようだ。窓に映った人間の外観に奇異を感じている部分もあるので、ある程度は似ているのかもしれない。だが、違う外見の生命体のようだ(まあ必然的にそう想像されるだろうが)。

言語学習はオウム返しから始まり、言葉を浴びて即興で学習している。英語学習を何年もしては忘れる私からしたら羨ましい限りだ。
いや冗談はとにかく、学習と、核融合科学者を求める様子からかなり知的には人間以上の水準にあるらしい。その〝人間以上〟が地球への着陸に墜落するのはどうかと思うのだが、まあもしかしたらその〝地球外生命体〟にとっても恒星間旅行は難しいのかもしれない。

大きな声とかコップを投げ捨てるとか相手の感情に配慮しないとか、そのへんの倫理観はその〝人間以上の地球外生命体〟の社会ではどうなっていたのか気になる所ではあります。

というか、アンシア人と呼ぶべきなのか? それともそれは、この世界観では地球人中心主義になってしまうだろうか?

 

アンシアは水がないのだろう、ぐらいしかアンシアの事はまだ分かっていません。
瞬膜があるのは、かなり乾燥している描写なのかも? 瞳孔が細いのでかなり暗闇でも視界があるのかもしれません。
あとはもしかしたらアンシアでは思考直結型生命だからコミュニケーションの必要がないとかそういう可能性があるでしょうか?

そんなことを、地球人の倫理と論理から離れている生命が奮闘するの見るのが楽しい人類は想像しています。

 

地球外生命体の地球外生命らしくて(私が)楽しい所

・言語はだんだんと学習

・地球の礼儀もだんだんと学習

・水大好き

・氷水など顔を突っ込んでも笑顔になる

 

馬が捕食者の世界ってどんなだろう、と想像するのも楽しいです。

今のところ、超能力があるとかはなく、環境以外に地球人と異なる所はあまりなさそうな生命体なのだな、という感じです。(ある程度未来がわかりそうな言動はありますが)

 

・古物商でなぜあんなに指輪を吐き出したのか?

(金属を生成できるのか? もともと持っていたのか? 複製したのか? それに価値があるとどこで知ったのか?)

 

 

THE DAYS 1. 福島第一原発は水没しました 【感想】

<THE DAYS>

第1話「福島第一原発は水没しました」の感想です。

 

・総評

静かで各個が大袈裟なキャラクタライズをされておらず、大きな災害とそれに関わる重要な証言をする証人がクローズアップされがちな中、周りの人間の連なった営みを感じられる。

そしてそれだけに、あっけなく流される人命、手探りの恐怖がそこにある。

監督の一人が「リング」の監督だと知り、なるほど随所に見られるホラー的な手法はそのためかと納得した。そしてそれは、大災害の恐ろしさを感覚的に訴えかけるのにとても効果的であった。

 

「事実に基づく物語」

「安易な美談や英雄譚を避けた」

 

”あれ”について、英雄的な物語に描かれたものには微妙な焦げ臭さに似た嫌な感じを受けてしまう(それゆえ私はいろいろなものを避けて来た)。しかしこの物語の、ヒロイズムというものが存在しないリアルへの近い感覚のおかげで、続きも視聴できるだろう。

 

 

脚本を確認したくてエンドロールが流れるのをジリジリしながら待ったが、原案の文字を見た時は正直、「大丈夫かぁ〜〜?」と思った。だが、おそらく(あくまで)”原案”なのだろう。「英雄譚を避け」という言葉を信じようと思う。

 

 

 

-----------------以下内容言及----------------------------

 

冒頭で例の「明るい未来のエネルギー」の看板に胸を打たれる。

過去形で語れない物語である事が明言されていてる姿勢を好ましく思う(と言うのは変かもしれないが)。

当事者でもなく、何をかもしていない自分がどうこれを受け止めたら良いのかという惑はあるが、とにかくあるものを見てみること事態は何ものでもないだろうと言い聞かせて進もうと思う。

 

説明が抑制的で、専門用語も「現場ならそう言うもの」という以上のものはない。

だがまあそれで良い。ちょっとした(花見の予定とか)何気ない会話が、年配上司の会話そのもののようで面白い。東央電力副社長の、理不尽な怒り方もいそうな上司の感じで面白い。

地震発生後はざわざわするのだけど、意外と人は落ち着いている。確かにそういうものだ。

総理と、おそらく予算委員会で横にいるのは官房長官だとおもうが、ほんのり似ている様に感じるのが面白かった。

 

 

1話中盤に差し掛かり、誰もいない敷地に防災放送(?)だけが流れているのはとてもホラーだと思いながら見た。

人気があるはずなのに誰もいない村、海鳥の泣く声……

うん。ホラーですね。

振り返って津波が来ることに気づく三人の反応が、淡々としつつリアルを感じる。

人間って初めは意外とこういう抑えた反応なのですよね。

 

運用補助共用施設に入る二人。

非常用電源になっているせいか、タイミング的にそれも切れた時なのか、この途中の空間に閉じ込められた所に波が押し寄せるシーンなど、「ホラーーーーーーーーー‼︎」って心の中で叫んでしまいました。強化ガラスのやっかいさと波への無力さが相まって押し寄せる。

(物語的には恐怖の見せ場だけれど、そうして亡くなった人もいるのかもしれないと思うとなんとも心の持って行き場が見出せないですが)

 

技術の粋を集めた場所で、電源喪失となり全く状況が掴めないことになるのは、ほんとうに為す術がない。

モニターが次々と切れていき無反応になった制御室で、絶望を表す様に電源がバチン切れる。0を指したまま動かない計器は無情だ。

普通の場所なら現場を確かめに行くのだが、それが運転中(だった)炉となると……。

 

 

波が建屋を浸し、日が沈む景色でエンドクレジット。

 

恐ろしさ、を思い出すべきかもしれない。

中盤からホラーの手法で畳み掛けられた第1話でした。

 

 

紙のマニュアルって非常時に役に立つよな……。

 

 

 

※「Fukushima50」は英雄譚を語ることで落とす何かがありそうで見ていません。